刈’s free noTe Vol.5
こんにちはみなさん。刈です。最近ちょっとバダバタで完全に放置してました。すみません。
間が空きすぎて自分でもどこまで話しを進めていたのか忘れてしまっていましたが、久しぶりに続きを更新したいと思います。前回を見てくれた方もきっと話しを忘れてしまっていると思うので、もし良かったら少し遡ってみてください(笑)
初めての海外遠征inシンガポール、厳しさを知る。
前回お話ししたとおり、Tokyo Tekken Mastersで色々と刺激を得られた僕でありましたが、その後に開催されるTWT Sea Major(シンガポール)までも参戦を決めることとなりました。
もちろん渡航費を支援してもらってシンガポールに挑むことになるのですが、僕は誰かにお金を出してもらうということが個人的にどうしても少し抵抗があるんです。(例えスポンサー様からでも。)
しかしこの時は大変恐縮ながらも自ら会社にお願いを申し立てました。
「必ず勝ってくるからシンガポールに行かせて欲しい。旅費を出してください」
と。そして会社はそれを快く承認してくれました。初めての海外大会。シンガポールはリゾート地でもあることから周りからは
「いいなー。」「タダなんだし観光しておいでよ。」
などと言われたりしましたが、正直なところ非常に鬱陶しかったです。どこの国だろうとそこにリベンジチャンスがあるからそこに行かせてもらうだけの話で、シンガポールとかリゾート地とかそんなことは関係ない。これ以上そういう話を俺にしないでくれ。腹の中はそんな思いでした。
そして、いよいよ大会当日。海外での体調管理に問題はなく、至ってベストな状態で会場入りができました。
大会が始まると序盤から韓国の強豪『Kkokkoma(コッコマ)』を倒すなどして着々と勝ち上がっていく。
「(ざまぁ見ろ。慣れちまえば家庭用の大会もなんてことはない。)」
腹の中ではそんなことを考えつつここまで余裕すら感じでいましたが、突然誰かに負けてしまい、自分の中ではまさかのルーザーズ落ち(マジで相手を覚えてない)。ルーザーズでも韓国の強豪『Dimeback(ダイムバッグ)』が待ち構えてたりしてましたが、どうにか倒し続けて残り一つしかないライフを守り続けました。
そしてここに来て、海外大会の恐ろしさを体験することになります。進行の遅れにより、次の自分の試合まで約5〜6時間遅れのアナウンス。耳を疑いました。
聞いたことも体験したこともない長時間会場待機。遅れることがあれば早まることもある大会の進行。油断してホテルに戻ってる間に自分の出番がまわってきたりでもしたら失格になってしまいます。シンガポールにまで来てそれだけは許されない。
固い地面に座り込んで、ラインすらまともに使えない弱すぎるWi-fiを頼りにスマホで情報を確認する。重たいアケコンを持ち歩きながら、ただひたすら何時間も待つ。待つ。待つ。会場と同じ建物内に『ぐでたまカフェ』があってそこでお茶をして誤魔化したりしてたのですが、値段がたけぇ!(笑)暇潰すには財布が持たねぇ!(笑)
やがてようやく自分の出番がまわってきましたが、その頃には体力も限界。ひどい腰痛と手足の痺れが身体を襲い、集中力を再び取り戻すのは至難の技でした。
そして気になるルーザーズの対戦相手は…日本勢レオ使いの「黒黒(くろくろ)」さん。
正直に言って僕は黒黒さんのことを自分よりも格下の相手だと分析していました。そしてこの疲労困憊の中で韓国人が相手じゃなくて良かった…なんて考えるほど安堵していました。
しかし、これが完全に油断。僕は黒黒さんに敗北しました。
見たことのない技の連携、ネタ、そして異様なまでに落ち着いた立ち回り。疲労がまったく見えないその表情。
黒黒さんは海外大会の経験が豊富なことに加え、大会という短期決戦型の戦い方、会場内で起こり得る出来事まで想定に含めた体調管理、すべてを研究し対策を徹底していたベテランでした。
トーナメントを勝ち上がるとは。異国で戦うとは。家庭用の鉄拳とは。自分が舐めてかかった相手にすべてを見せつけられた気分でした。こうして僕のシンガポールは終わりました。
しかし負けてもすぐに家に帰って落ち込むことすらできないのが、海外大会です。この悔しさと情けなさ、そして僕を信じてくれた会社に対する申し訳なさが一気に襲ってきてもう頭の中とメンタルはグチャグチャ(笑)当然この気持ちをぶつけることが出来る場所なんてものはどこにもなく、ホテルのベッドで一人うずくまることしかできませんでした。
誰かに期待される。
責任を持って挑む。
そして応える。
どれだけ重いことなのかを知りました。プロってもしかして大変?
最後まで読んでくれてありがとうございました。今回はここらへんで。
そして先日ブログにリクエストをいただきまして、次回はそのリクエストにお答えする内容を書かせてもらいます。
『二先を制する為に必要なこと、Kneeやqudansの安定感について考察する。』です。
次回もぜひご覧ください。お疲れ様でした。
吉光使いです。最強吉光なんて呼んでもらってます。でも本当はクロエが好きです。鉄拳強くなりたいですね。